呼吸はいつでもどこでもできる、最も手軽なセルフケアです。
たった6つの呼吸法を覚えれば、緊張を和らげたいとき、集中したいとき、眠りにつきたいときなど、場面に応じて自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスを整えられます。
最初はうまくできないと思います。
少しずつ習慣化して、場面ごとに効果的に使うことができるようになれば、大事な場面での「お守り」になります。
本記事で呼吸法に関しての知識が少しでも増えれば幸いです。
当サイトは記事制作ポリシーに則り作成していますが、事実と異なる点やお気づきの点がございましたら、
「お問い合わせ」よりお知らせください。真摯に確認し、すぐに改善いたします。
呼吸と自律神経の基本
- 自律神経は交感神経(活動・緊張)と副交感神経(休息・回復)で成り立っています。
- 呼吸は自律神経に直接影響を与える数少ない「意識的に操作できる生理機能」です。
- ゆっくり深い呼吸は副交感神経を優位にし、リラックスや睡眠の質向上に寄与します。逆に速く浅い呼吸は交感神経を刺激します。
「6つの呼吸法」一覧(比較表)
それでは6つの呼吸法をみていきましょう。
| 呼吸法 | 主な効果 | 推奨場面 | 用途例(目的) | 難易度 |
|---|---|---|---|---|
| 腹式呼吸 | リラックス・消化促進 | 就寝前・休憩時 | 睡眠導入 リラックス ストレス緩和 | 低 |
| 胸式呼吸 | 覚醒・集中 | 朝・準備運動時 | 集中力アップ 眠気覚まし | 低 |
| 4-7-8呼吸 | 即効の鎮静・入眠補助 | 寝つきが悪い時 | 入眠促進 不安解消 深いリラックス | 低 |
| 片鼻呼吸 | 心の安定・左右バランス調整 | 緊張緩和・瞑想前 | 感情の安定瞑想導入緊張緩和 | 中 |
| カパラバティ | 代謝促進・覚醒 | 朝の目覚め・運動前 | 頭の活性化スイッチオン | 中〜高 |
| シータリー | 冷却・鎮静 | 熱感・イライラ時 | クールダウン落ち着きを取り戻す | 中 |
腹式呼吸の詳しい解説
概要
腹部(横隔膜)を使って深く息を吸い、ゆっくり吐く呼吸。副交感神経を優位にして心身を落ち着ける。
さらに詳しく知りたい方はこちらから
やり方(初心者向け)
- 楽な姿勢で座るか仰向けに寝る。
- 片手を胸に、片手をお腹に置く。
- 鼻からゆっくり息を吸い、お腹が膨らむのを感じる。(胸はあまり動かさない)
- 口または鼻でゆっくり吐き、お腹をへこませる。
- 1回あたり5〜10分を目安に行う。

効果
- 心拍数低下、血圧安定、消化促進、睡眠の質向上。
場面別の使い方
- 就寝前:ベッドで5分。
- 仕事の合間:椅子に座ったまま3分。
- 緊張時:深呼吸3回で落ち着く。
注意点
- 無理に深く吸いすぎない。めまいがしたら中止。
胸式呼吸の詳しい解説
概要
胸郭を広げて浅めに呼吸する方法。交感神経をやや刺激して覚醒や集中を促す。
さらに詳しく知りたい方はこちらから
やり方
- 背筋を伸ばして座る。
- 鼻から短めに吸い、胸が広がるのを感じる。
- 口または鼻で自然に吐く。
- 10〜20回のサイクルで行うと目が覚める。

効果
- 集中力アップ、短時間での覚醒、運動前の準備。
場面別の使い方
- 朝の目覚め:起床直後に20回。
- 会議前:深い集中が必要な直前に数回。
注意点
- 長時間続けると過呼吸になりやすいので短時間で。
4-7-8呼吸の詳しい解説(リラックスを即座に得る)
概要
呼吸のカウントを「吸う4秒・止める7秒・吐く8秒」にすることで副交感神経を強く刺激する方法。寝つきが悪いときに有効。
さらに詳しく知りたい方はこちらから
やり方
- 舌先を上の前歯の付け根に軽く当てる。(慣れれば不要)
- 鼻から4秒かけて吸う。
- 息を止めて7秒数える。
- 口から8秒かけてゆっくり吐く。
- これを4回1セット、就寝前に行う。

効果
- 即効の鎮静、入眠補助、ストレス軽減。
場面別の使い方
- 寝つきが悪い夜:ベッドで4セット。
- 緊張のピーク時:会場のトイレなどで1セット。
注意点
- 心臓疾患や呼吸器疾患がある場合は医師に相談。
片鼻呼吸の詳しい解説
概要
左右の鼻孔を交互に使って呼吸するヨガの呼吸法。心を落ち着け、左右の脳のバランスを整える効果があるとされる。
さらに詳しく知りたい方はこちらから
やり方
- 右手の親指で右鼻を軽く押さえる。
- 左鼻からゆっくり吸う。
- 人差し指で左鼻を押さえ、親指を離して右鼻から吐く。
- 右鼻から吸い、左鼻から吐く。これを数分間繰り返す。
の説明図-1-683x1024.jpg)
効果
- 不安やイライラの軽減、集中力の向上、瞑想の導入に最適。
場面別の使い方
- 瞑想前:3〜5分で心を整える。
- プレゼン前:緊張を和らげるために短時間実施。
注意点
- 鼻づまりがひどいときは無理に行わない。
カパラバティ(力強い吐き出しで浄化)
概要
短く強い吐き(腹部の収縮)を繰り返すことで呼吸をリズミカルにし、代謝や覚醒を促す。ヨガの浄化法の一つ。
さらに詳しく知りたい方はこちらから
やり方(基本)
- 背筋を伸ばして座る。
- 鼻から自然に吸い、腹部を素早く引き締めて短く強く吐く(吸気は自然に入る)。
- 1セット20〜30回を目安に行う。

効果
- 血行促進、代謝アップ、頭がすっきりする感覚。
場面別の使い方
- 朝の目覚め:起床後に1セット。
- 運動前:ウォームアップの一部として。
注意点
- 妊娠中、高血圧、心疾患、腹部手術後の人は避ける。初心者は無理をしない。
シータリー(冷却と鎮静)
概要
舌を丸めて口から吸うことで体を冷やし、心を落ち着ける呼吸法。暑さやイライラを鎮めたいときに有効。シータリー呼吸は秒数ではなく回数が目安
やり方
- 吸う:舌先を口から出します。ストローのように丸めます。
舌を丸められない人は「シートカリー呼吸」で代用可能です。
その舌を通して「シー」と音を立てながら、ゆっくりと口から息を吸い込みます(肺が空気で満たされるのを感じるまで吸います。) - 止める:軽く息を止める、舌を戻して口を閉じます。
慣れない場合は省略しても構いません。 - 吐く:鼻から温かい空気をゆっくりと吐き出します。
喉を軽く締めるイメージで、体内の熱を外へ逃がす感覚を意識します。 - 繰り返す:これを5〜10回繰り返します。

効果
- 体感温度の低下、イライラの鎮静、消化促進。
場面別の使い方
- 暑い日やイライラ時:数分で気分を落ち着ける。
- 食後の不快感:軽く行うと楽になることがある。
注意点
- 舌を丸められない人は無理に行わず、鼻呼吸で代替。
当サイトは記事制作ポリシーに則り作成していますが、事実と異なる点やお気づきの点がございましたら、
「お問い合わせ」よりお知らせください。真摯に確認し、すぐに改善いたします。
日常での取り入れ方(場面別の具体例)
朝(目覚めを良くする)
- カパラバティ 1セット(20回)→ 胸式呼吸 20回でスイッチON。
- 所要時間:3〜5分。
仕事中(集中したいとき)
- 胸式呼吸 10回で覚醒。
- 片鼻呼吸 3分で心を落ち着けて集中力を回復。
緊張・不安が高まったとき
- 腹式呼吸 3分(深くゆっくり)→ 4-7-8呼吸 1セットで即効の鎮静。
就寝前(寝つきを良くする)
- 腹式呼吸 5分 → 4-7-8呼吸 4セット。
- スマホや強い光を避け、静かな環境で行う。
よくある質問(FAQ)
- Qどれくらいで効果が出ますか?
- A
即効性のあるもの(4-7-8、片鼻呼吸)は数分で変化を感じることが多く、腹式呼吸やカパラバティは継続で体調改善が期待できます。
- Q呼吸法で危険はありますか?
- A
基本は安全ですが、心疾患・高血圧・妊娠中・呼吸器疾患がある場合は医師に相談してください。めまいや動悸が出たらすぐに中止してください。
- Qどのくらいの頻度でやればいい?
- A
毎日短時間(合計5〜15分)を目安に続けると習慣化しやすいです。
- Q呼吸法は運動の代わりになりますか?
- A
呼吸法は自律神経の調整やリラックスに有効ですが、有酸素運動や筋力トレーニングの代替にはなりません。両方を組み合わせるのが理想です。
実践のコツ(短く)
- 姿勢:背筋を伸ばすと呼吸が深まりやすい。
- 環境:静かな場所で行うと効果が出やすい。
- 回数:短時間でも毎日続けることが最も重要。
- 記録:気分や睡眠の変化をメモするとモチベーションが続く。
結びのメッセージ
完璧を目指さなくても大丈夫。呼吸法は「頑張りすぎないためのお守り」です
この呼吸法の記事を見にきた方は、おそらく「繊細な人」「感受性が強い人」で、大事な場面でいつも緊張してきた経験があって、なんとかしたいと思って呼吸法を知り「リラックス」して臨みたいと思っているはずです。
呼吸法は「リラックス」させてくれますが、もっとも大事なのは自分を追い詰めすぎないということです。わかっていてもできないから苦労していると思います。
「頭でわかっていても、心が焦ってしまう」
その気持ちは本当によくわかります。私も極度の人見知りで緊張するタイプですから。
もし、この記事を偶然読んだのなら、 「準備はした。後は、流れにまかせる。」という気持ちで大事な場面に臨んでみませんか?
不思議なもので、うまくいったと思ったプレゼンでダメになったりすることもあれば、ダメだと思っていたらうまくいったという事もあります。
寝れなかったら寝れなくてもいい。
緊張したら緊張してもいい。
この呼吸法は、あなたが緊張という波に飲み込まれそうになった時、立ち直るための「浮き輪」です。
どうか、頑張りすぎないでください。


執筆者紹介
30歳の時の仕事中の事故による右手のハンディキャップ、キャリアの不安定さ、身体的な変化など、人生の大きな困難を経験しました。
この経験から、「失ったものに囚われず、最小限の力と小さな一歩で、着実に人生を前進させる知恵」を追求し、発信しています。
今でも、完全には気持ちを切り替えられない心境になることも正直あります。
だからこそ、多くの方々の声を聞きながら、誰もが無理なく始められる変化のヒントを、自身の経験を交えてお届けしています。

コメント